上級国民への道blog

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教育費と幸福について

お金と幸福の関係

お金と幸福の間にはどういう関係があるのだろうか?

 

 

幸せとお金の経済学

幸せとお金の経済学

 

 

本書によると、アメリカでは、「地位財への支出競争が起きた結果、非地位財を減少させ、幸福度が上がらない」という現象が起きているそうです。

 

つまり、「非地位財」なるものを十分に持てれば、幸福度があがるということです。

ところが、人々は何故か「地位財」にお金をかけるように競争するらしい。

 

地位財と非地位財

地位財 

周囲との比較により満足を得るもの、つまり他人との比較優位のよってはじめて価値のうまれるもの

地位財は視認性が強いという特徴があります。

簡単に言えば、値段が高いか安いか、目で見てすぐわかり、比較しやすいということ。

要するに、見栄の張り合いということか。

 

代表的な地位財としては、所得、社会的地位、住宅、車、衣服、教育などがあります。

そして、どうやら地位財は幸福の持続性が低いようです。

 

非地位財

他人が何をもっているかに関係なく、それ自体に価値を見出せるもの

 非地位財は相対的ではなく、自由、休暇、健康、安全などがあげられる。

これらは地位財と比較して、幸福感が持続する。

なお、アメリカでは貯蓄も非地位財に入っているが、このあたりは少し日本とは事情が違うようです。

 

地位財としての教育

直接の教育費もさることながら、アメリカでは、優良な公立学校の学区の住宅の購入が、最も重要な子供への投資になっているとのこと。

つまり、住宅費は間接的な教育費という性質を強く持つのです。

しかし、アメリカでも住宅のコストはとても大きいので、子供への投資は直接間接あわせてどんどん膨らんでいく。

 

子供に教育を施し、少しでも良い収入が得られる職業につかせたい、という思いはアメリカでも同じようです。

しかし、子供に良い教育を受けさせようとして、自由・休暇や健康(アメリカでは貯蓄も)などの非地位財がどんどん削られ、幸福度は下がってしまう。

これがアメリカで起きている現象です。

 

見栄をはっても幸せにはならない

日本社会は大体アメリカの20年後を追いかけている。

 

同様の事態が特に東京圏を中心にすでに顕在化している。

例えば、年収が1000万円超えても全く貯蓄できないというエリサー家庭。

彼らは私立小学校はじめとする子供の教育費、タワーマンション、外車の購入などまさに地位財をめぐる相対的支出競争の渦中にいる。

 

まず、地位財に収入の大半を注ぎ込むと幸福度が下がることを認識する必要があります。

その上で教育費は削るにも限界があるとなれば、その他の地位財を意識的に捨てていかなければなりません。

結局、見栄をはっても幸せにはなれない、という当たり前の結論だった。