上級国民への道blog

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知的能力についても遺伝的な能力差があることを認識しよう

学校教育は、誰でも勉強すれば一定の知識と能力を習得することができる、という前提にたっています。

 

運動能力については訓練と努力ではどうにもならない遺伝的要素が存在することは認められても、知的能力については努力でカバーできることになっている。

これは「性相近し、習い相遠し」という儒教の影響も大いにあるでしょう。

 

しかしながら知的能力、とくに学校教育で評価に繋がりやすい記憶力とパタン認識にも、歴然とした能力差があり、遺伝的要素が大いに影響している。

このことをまずしっかりと認識しておく必要があります。

 

 

もともと頭のいい子にもたらされる正のフィードバック

 

時々、記号操作と記憶力が抜群に優れている子がいて目立ちます。

こういう子は小さい頃から語彙と知識の吸収が早く、自分で勝手に本を読んだりする。

本を読むことでさらに知識と語彙を吸収するので、ポジティブなフィードバックがかかる。

結果として小学校低学年でぐらいの段階で、埋めようのない差がついています。

周囲からは賢い子と一目おかれるので、自信もつき、自己主張もできるようになります。

 つまり、できる子はますますできるようになるということです。

 

環境に介入する

 

自分の子が、集団の中で明らかに抜きんでた知的能力を示していない場合は、環境に介入するしかありません。

介入できる環境は家庭内と、家庭外とに分かれます。

 

知的能力にもっとも影響が大きいのは母親の学歴ということです。

母親からの知的能力の遺伝が効いてくるのか、母親からの知的働きかけが効いてくるのか。

もちろん両方とも影響があるでしょうが、特に母親が使う語彙の豊富さが重要であることが指摘されています。

 

家庭でやるべきことは、子供が活字から刺激を受け、さらに活字に取り組むというポジティブなフィードバックができるように環境を整えること、これに尽きます。

ゲームやテレビなど努力を要さずに得られる刺激については、親の強い意志をもって制限することが必要だと思います。

 

家庭外では、幼稚園や学校の環境、習い事といったことになります。

習い事をなんでも詰め込めばいいというものではないが、子供どうしの会話で語彙が豊富であればあるほど、相互作用と正のフィードバックがかかるでしょう。

実際にアメリカでは学区毎の学力レベルが、不動産価格に大きく影響しています。

 

継続は力なりというが

 

日本では、子供の教育においては大学受験が一つのゴールになるでしょう。

受験を考えた場合は、遺伝的に既定された能力の上限とともに、18歳までに結果を出さなくてはならないという時間の問題があります。

締め切りがあるということです。

時間的制約を考えると、同程度の能力、同程度の意欲ならば、高校受験の時間的ロスは大きい。

やはり中高一貫が圧倒的に有利です。

このあたりにも経済力が関係してくるでしょう。

 

 

 

参考図書

 

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